「気づく」こと、「受け入れる」こと  

いかがお過ごしでしょうか。

今は、生活の中の「当たり前のこと」を「失う」という事が、

どんな方にも、程度の差はあれども、さまざまな形で起こっている時期だと思います。

 

今までの生活、人とのつながり、安全の感覚・・・

仕事や、行きつけの場所、自分の空間、関係性・・・

「失う」ことには、様々なものがあります。

大きな、または小さな「失う」ということが積み重なる中で、

「無力感」や「悲しみ」、「イライラ」など・・様々な感情や反応、

心や体のゆらぎが出てくることも、増えているかもしれません。

もれなく、私自身も、様々な反応に揺れる日々です。


<「失う」ことへの反応の仕方>

キュブラーロスというアメリカの医師は、人が「死ぬこと」に向き合った際に、

様々なものを「失うこと」を受け入れてゆくプロセスについて研究していました。

そして、そのプロセスには、5つの段階がある、としました。

それは、

① 否認・・「失うこと」や「死」ということを、認めない段階。無感覚になり、考えるのを避ける。

② 怒り・・自分や他者へ怒りを向ける段階

③ 取引・・奇跡を期待したり、何かにすがろうとする段階

④ 抑うつ・・エネルギーが低下して、何もできなくなる段階

⑤ 受容・・受け入れてゆく段階

の5段階です。

 

これらの段階は、直線ではなく、それぞれを行ったり来たりしながら進んでいくとされます。

そして、その有機的なプロセス中で、人は少しずつ「失うということ」を受け入れ、

人生に統合してゆく、とロスは言いました。

 

この5段階プロセス、まさに今、私たちが「日常」を失っている状況への、

「喪失への反応」と照らして考えても、色々と腑に落ちる部分があるのではないでしょうか。

例えば・・・

<否認>「自分はコロナと関係ない」「コロナは大したことない」etc・・と考える

<怒り>国、発信者、家族など・・etc、外側の何かに怒りを向ける。自分にイライラしたり、内側に怒り向ける。

<取引>例えば一つの健康法だけ、など、何かにすがろうとする。

<抑うつ>エネルギーが低下して、何にもやる気がでない。気分がふさぐ。

・・・

私自身、どれにも、少しずつ心当たりがあります(笑)。

でも、上記は全て、人が日常を「失った」時に、少しずつそれを受け入れ、

適応してゆくために起こる、<自然な心の反応>なのです。

・・・

もし良ければ、「今自分は、どんな反応を多くしているのかな?」と少し振り返ってみてもいいかもしれません。

(もちろん、この中の、どの段階にもあてはまらない場合もあると思います。

もし、ワクワクや、心地よい時間がたくさんあったら、それはそれで素晴らしいです!)

今の自分のあるがままの「あり方」に気づくとき、自分を少し離れたところから、客観視することになります。

そうして今の状態に「気づく」こと自体が、まずは心を整理してゆくことや、安心感へと向かう力となります。


<「受け入れること」>

昔、キュブラー・ロス本人が出演していた番組を見たのですが、彼女のTシャツに大きく、

” I’m not OK. You are not OK. It’s OK. ”

(私はOKじゃない。あなたもOKじゃない。それで、OKなのよ。)

と書いてあったことを、鮮明に思い出します。

そのときは「どういう意味・・?」と思ったのですが、

今になってようやく、その言葉と、彼女の伝えていた「受容」ということの意味が、わかるような気がしています。

・・・

—私にも、あなたにも、まぎれもなく、弱さや、しんどさ、苦しみがある。

それは、大丈夫。自然なことなのよ。(It’s OK.)—

・・・

彼女の「受容」とは、私たちの人間としての弱さや、苦しみをも、

あるがままに見つめて、「肯定する力」なのでしょう。

それは、
・・「もし今、自分や周りが「OKじゃない」ことに気づいたら、
まずはそれに「気づいている」こと自体を肯定しよう。
そして、そこから、また、始めよう。」・・

というようなことではないでしょうか。

そこには、極端な悲観主義でも、楽観主義でもない、

「慈悲の心 Compassion(悲しみを、あるがままに気づく心・いつくしむ心)」

のようなものが、あるように感じました。

私たちも、今、自らの内に起こっている、様々な反応に「気づく」ことができます。

その「気づき」は、自分自身へ、そして周囲への「慈悲(悲しみ・苦しみをあるがままに見つめる心

真の意味で自他への思いやり)」へと、つながっていくと思います。

その心を持って、これから、自分がどんな世界を作っていきたいか・・・今、私自身も、自分の心へ、問うような日々を送っています。

この「痛み」に気づく日々が、きっと、自分や他者への、本当の意味での「慈悲の心 (Compassion)」

を育み、これからの私たちの心の筋力、糧になりますよう。

そして、人生で「さらに良きもの」を生み出す力に、つながっていきますように。

 

 

ストレスへの対処法

3月になりましたね。

2月を過ぎたあたりから、新型のウイルスについてなど、落ち着かないニュースも、
多く目にするようになりました。

この時期、健康について心配になったり、イベントや学校もお休みになったり、
なかなか先が見えない・・・など、
今は、日本だけでなく、世界的にも、特にストレスがかかりやすい時期と言えるでしょう。

私自身が、こんな時だからこそ、気をつけていることを、少しお伝えしますね。

<情報とのつきあい方>

「気づいたら、テレビやネットのウイルス関係のニュースばかりチェックして、余計不安になった・・」
なんていう経験、みなさんもあるかもしれません。

信頼できるソースからの情報を、適量持つことは、力になりますが、
一度に沢山の情報を目にし過ぎると、かえって「混乱」したり、
集合的な「恐れ」の感情と共振して、ストレスになってしまうこともあります。

もし、情報過多になっているのに気づいたら、いったん、テレビやPCから離れ、
情報に触れる時間を減らして、バランスをとるのが、おすすめです。

<からだのケア>

ストレスの強い時ほど、 「からだ」のケアが、大切になります。
「身体」が整うと、自然と心も整い、回復する力、免疫力を高めてくれます。
手洗い、うがい、マスクなどの、基本的な予防に加えて、

・たっぷりの睡眠。

・栄養のある食事。

・ストレッチ、マッサージ、散歩など、適度な運動。

あたたかいお風呂に入ったり、栄養があっておいしいものを食べたり、ストレッチをしたり・・。
日常の中で、ベーシックなからだのケアを、もう一度、意識してみましょう。

私は最近、今ちょうど旬の「金柑」を食べるのにはまっています。
これがビタミン類もたっぷりで、免疫系にもGood。好きな方にはおすすめです。

<リソースに気づく>

リソースの記事でも触れたのですが、私たちの脳は、ネガティブなもの(恐れ・不安)に
気づきやすい傾向があります。

ですので、ストレスがある時ほど、「リソース(心地よいこと/ニュートラルなこと)」にも、意識を向けることは、
神経系のバランスを取って、自己調整力(ホメオスタシス)、免疫力を高めてくれます。

今できる範囲での、小さな「ここちよいこと/ニュートラル(中立的)なこと」を、少し意識してみましょう。

たとえば・・

・友人に電話をして、声を聞いてみる。

・おもしろいことをみつけて、笑う。(無理のない範囲で^^)

・できるだけ、「生活のリズム」を意識してみる。

・好きなお茶を入れて、本を読む。

・床(大地)にしっかりと足をつけてみる。

(大地にしっかり足をつけることを、グラウンディングと言います。
まるで、一本の木が、大地に根を張るように、自分の足の裏が、どっしりと床についているイメージをして、
その安定感を感じてみると、体と同時に、心も落ち着いてきます。)

・・・
<呼吸>

「呼吸」はいつも、意識を「いま・ここ」に戻してくれ、私たちの心をニュートラル(中立)にしてくれます。
一度、「ほーっ」と、長めに息を吐いてみましょう。

今必要のない考え、不安や恐れなどの感情を、「吐く息で一緒に外に出す。」と意図しながら、
「ほーっ」と息を長く吐きます。 吸う息は、自然に、必要なだけします。

自分のペースで、ゆっくりと・・・。気持ちいい分だけ、呼吸を繰り返してみましょう。

・・・

外の気候も、少しずつ、ぽかぽかしてきてくれていますね。
春は、きっと、もうすぐそこに。

心とからだを整えて、セルフケアを取り入れながら、
あたたかく、安心な春を、迎えることができますように。

梅の花も、咲いてきました。

All is full of love  愛について

少し、ごぶさたをしていました。

2月ですね。節分も終わって、もうすぐバレンタインです。

バレンタインと言えば、「愛の日」❤️

そこで、「愛」について、少し思い巡らせていたら、

「All is full of love」という、大好きなビョークの歌を思い出しました。

それは、こんな歌詞なんです。

 

<すべては愛に満ちている  All is full of love>

あなたには愛が与えられる

あなたは、大切にされる

あなたには愛が与えられる

信じて

あなたが愛を注いだ所から

ではないかもしれないけれど

あなたが見つめている方向からでは

ないかもしれないけれど

 

周りを見回してみて。

愛は、あなたの周りに満ちている

全ては愛に満ちている

あなたの周りは全て、愛

全ては愛に満ちている

ただ、それを受け取ろうとしていないだけ

全ては愛に満ちている

あなたの受話器が外れているだけ

全ては愛に満ちている

あなたの扉が閉まっているだけ

全ては愛に満ちている!

 

・・・・

20才の頃、初めてこの曲を聞いた時には、どうも、わかったような、わからないような気持ちになりました。

全ては愛かあ・・本当に、そうだったらいいのにねえ・・・と。

それが、年を重ね、色々な経験を重ねるごとに、今、身に沁みて、

本当に、私たちは、愛で出来ている(!)と体感することが、増えてきました。

人間としての痛みも、悲しみも、喜びも、すべてが、愛 = いのち で出来ている。

そして「愛」や、「いのち」は、これまでも、これからも、ずっと、ここにあるもの・・だと、体感するのです。

 

・・と言っても、世界や、私たちの心にも、現実にはまだ、葛藤や、苦しみ、傷つきがあります。

「愛こそすべて」が、虚しい文字に思える日も、時にはあるかもしれません。

私は、人生とは、痛みや悲しみ、傷つき、喜び・・といった、様々な体験を通じて、

私たちの本当の姿である、「愛=いのち」を、思い出してゆく、旅なのだと思っています。

セラピーは、苦しみや、不調和を通じて、私たちの「本質=愛」を思い出し、体現してゆく旅の、お手伝いです。

時には、愛を

「受け取ろうとしないこと」

「繋がらない受話器」

「閉まっている扉」・・・

そういう事も、理由があって、起こります。

それさえも、一つ一つ、いつくしみながら、

少しずつ、愛=「本当の姿」に開いてゆく過程を、大切にしていきたいなあと思います。

 

そもそもが、愛でできている、私やあなた。

それをただ、祝福しつつ。心あたたまるバレンタインを、お過ごしください。

Much Love.

 

 

光のお祝い

今年も12月の冬至、クリスマスの時期ですね。

古くから、冬至のこの時期は、「陰極まって陽になる」=「闇がもっとも深くなり、光が生まれる」地点。

「太陽」が復活する節目として、世界の各地で、お祝いされてきました。

 

クリスマスは、最も暗い季節が終わり、「新しい意識」が生まれる、

「ひかり」のお誕生日でもあります。

外側(外界)で起こることは、内側(こころ)で起こることの映し鏡と言われます。

この時期、私たちのこころの中でも、闇と出会い、あたらしい「ひかり」が生まれてゆくプロセスを、

重ねてみてみると、興味深いかも知れません。

 

「闇」「影」にたとえられる、内なる「苦しみ」・「過去の記憶」・「罪悪感」、外側に見える「苦手な人」etc・・

これまで気づきたくなかったような、「無意識」の中にあったことがら・・

そんなことが浮かんできたら、意識の「光」=「気づき」とともに、そっとその「闇」を包みます。

そうすることで「闇」は、やがて新たな意識、「光」へと、変容していきます。

 

闇も、光も、もともとは一つのものでした。

その両方を、胸に抱きながら、一歩、いっぽ、あたらしい「意識」へと、

これまで足をすすめてきたことを、めいいっぱい、ねぎらいましょう。

そして、これから新たなる「光」の季節が生まれることを、一緒にお祝いしましょう。

 

あなたの今いる場所で、どうか、内なるともし火、内なる光が、

あなたと、あなたのまわりを、あたためてくれますように。

ささやかなお祈りを込めて。

 

良いお年をお迎えくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラウマセラピーにおける、リソースの大切さ② 

今回は、私たちの心と体のバランスを取り、力になってくれる、

<リソース>ということについて、書いていきます。

 

 

 

 

<リソースとは?>

リソース(資源)とは、<自分にとって、力になる、心地よいものや、こと>。

実は、この<リソース>、特別に大きなことでなくても、

例えば <今、ここで、呼吸をしていること>・・というような

一見ごく「普通」と思われることの中にも、存在しています。

大きな意味では、今・ここに<存在していること>。

・・呼吸をしていて、心臓が動き、意識 = いのち があること。

もうこれ自体が、リソースそのものだとも言えます。

そういう意味で、実は、リソースが「ない」人は、いません。

でも、これでは少し漠然としているので、もう少し具体的な例をお話しますね。

 

例えば、今、地面の上に、しっかり足の裏が乗っていて、なんだか「安心」する感じがあるとします。

この安心感は、からだで感じている「リソース」です。

セラピーの中では、このリソースから生まれる、「安心感」に気づいてゆくことで、

心身に残る、「トラウマ」のエネルギーとのバランスを取り、神経系を落ち着かせたり、

トラウマのエネルギーの解放につなげてゆくことも行っていきます。

 

しかし、これまであまり身体感覚を意識してこなかった方や、

過去に大きなトラウマ(小さなトラウマでも、何度も重なる体験など)があった方は、

初めは、「安心感」や身体の内側で感じる、<内的なリソース>は、見つかりにくいかも知れません。

それは、自然で、理由があることです。

というのも、身体は、あえて「感じにくく」することで、たとえばトラウマなどへの反応として起こる、

身体の「不快な感覚」から、「身を守る」働きをもっています。

そのため、たとえ安心という「心地よい」感覚であっても、いきなり「感じる」ことは、難しいこともあるからです。

 

ですので、そういう場合は、無理に「感じ」ようとしなくて大丈夫。

まずは<外的リソース>と呼ばれる、自分の外側・環境にある<心地よいもの。役に立つこと。>に目を向け、

少しずつ、それを育んでゆくことが、徐々に安心感を増やし、回復への力を育む、契機となっていきます。

 

ポージェス博士という、生理学的な神経の働きと、トラウマとの関連を論じている研究者は、

「(トラウマへの)治療とは、安全であると感じられるようになることである。」と語りました。

 

<リソース(心地よいもの)>に触れている時、私たちの心と身体は「ほっ」として、

自然と、自律神経系・心拍数・呼吸のあり方などが安定し、調整された状態になります。

この<リソース>によって育まれる心身の「安心・安全」な状態が、

トラウマなどストレスへの反応(戦う・逃げる・凍りつく)へ向き合う際の、大きな力となっていきます。

 

もちろん、心の深い部分の癒しや変容については、他者、専門家のサポートが重要ですが、

この「リソースに目を向けること」は、セルフケアとして、少しずつ、日常でも行えます。

日常生活でも、自分にとっての「リソース」に気づいてゆくことは、まるで「1円玉貯金」のように

地味なようでも着実に、心身の元気になる力=回復力(レジリエンス)を、増やしていくことに繋がるので、

お得(笑)です。

 

<宝もの(リソース)は、すべての中に>

私にリソースについて教えてくれた、あるトラウマセラピストは、

「リソースは、<無限>にある。そして、リソース構築は、<宝探し>のようである。」と話してくれました。

確かに、私たちの「リソース」という「宝」は

<無限に存在していて、これからも、たくさん見つけることができる>

と思うと、何だか励まされるようで、うれしくなります。

 

しかし、ときに、あなたの「宝もの」は、すぐには見つからないこともあるかも知れません。

なぜなら、思い出されない、「眠っている」宝も存在するからです。

なので、たとえもし今、自分にとってのリソースを、何一つ思いつかなったとしても、焦らないで大丈夫。

リソースは、今はそっと、眠っているだけなのかもしれません。

その場合は、「これまでに、何が良かったから、自分は生きてこられたのか?」

という問いに、少しだけ思いを巡らせてみてください。・・・

宝物(リソース)は、決して、なくなることはありません。

 

また、大切なことは、リソースには、とても個人差があるものだということ。

<自分にとって、心地よいか>が、大事なポイントです。

他の人が好きなものでも、あなたにとっては心地よくないかもしれません。

「今」の自分にとって、心地よいもの、役に立つもの。それこそが、あなたの力になってくれます。

 

もし良かったら、下記の<宝(リソース)探しへのヒント>を、

あなたにとってのリソースを見つける参考にしてみてください。

少しずつ、紙に書き出してみると、より「意識化」につながるので、おすすめです。

 

<リソース(宝)探しへのヒント>

<関係性>
自分がほっとして安心できる人。グループ。好きな動物。(想像上の生き物でも)。

これまで、助けになった人。 好きな有名人。尊敬する歴史上の人物。想像上のキャラクター。

これまで誰かにかけてもらった、うれしい言葉など。

たとえば、いつも行くパン屋さんの、あるレジの人の顔を見ると、なんだかほっとする、元気が出る・・。こんなこともリソースの一つです。

<場所>
ほっとする、お気に入りの場所。自分の部屋。図書館。公園。友人の家。カフェ。マッサージ屋さん。

温泉。お布団の中・・など、リラックスしたり、元気が出る場所、安全な「避難所」が、いくつかあると、心強いです。

<物>
役に立つもの。心と体がやすらぐ、よろこぶもの。

例えば、お気に入りの毛布、着心地の良い服、自転車、好きな食べ物、お守り  etc・・・

<自然>
「自然」は、何よりパワフルなセラピストです🌿

外に出て、太陽の光をあびてみる。新鮮な空気を吸ってみる。

山や海、川のほとりを散策する。花、草などの植物を見たり、香りをかぐ。

土や砂の上を裸足で歩く(アーシング)。 雨の音を聞く。日向ぼっこ。ろうそくの火を見ること。

私は、好きな木に触れたり、好きな石のそばに座ってみると、落ち着いたり、元気が出ます。

<クリエイティブ>
好きな音・音楽を聞く。劇・映画をみる。本を読む。お笑いを見る。

声を出すことや、歌うこと。ふーっと長く息を吐くこと。散歩すること。

絵を描くこと。日記や文章を書いてみる。スポーツを見る。ダンスする。ヨガへ行く。

動きたいように身体を動かしてみる。

好きな食材で料理をしてみる・・など。

「気持ちが良い行動」は、「今・ここ」に集中しやすく、とっても創造的。

<スピリチュアル>
「スピリチュアル」というと、なんだか特別な響きがありますが、

日常の中でも、自然の中に居る時や、好きな人といる時などには、

何とも言えずほっとしたり、「自分」が広がるような気持ちになったりします。

私にとって、「スピリチュアル(神聖な)」体験とは、

<「私」を超える、より大きなもの・「自然」との「つながり」に気づくこと> です。

ある人は、「床掃除や、窓のガラス拭きを無心にしているときに、

なんとも自分が広がり、清められるような気持ちがする」と話していました。

これも「神聖さ」の体験の一つではないでしょうか。

メディテーション(瞑想)をすることで、より深く自己と「つながる」ことも、落ち着いた気持ちにしてくれます。

時には、お祈りをすること、より大いなる存在へ呼びかけること・・なども

私たちに、力を与えてくれます。

 

「リソースは無限にある」・・ということで、上に書いてある事にとらわれず、

あなたならではの、小さな心地よさ、「宝もの」を、少しずつ、見つけていってみてください。

きっと、あなたの日常の中に、あなたの「喜び」、「調和」のささやかな瞬間が、増えてゆきます。

そしてそれは、きっと、いつしかあなたの「大きな力」になってゆくことでしょう。

 

トラウマセラピーにおける、リソースの大切さ① 

先月は、「コレモ(Community Resiliency Model)」という、

神経系の働きを生かしたケアの方法を学びに、大阪へ行ってきました。

そこで、再確認したのは、やはりと言うべきか、「リソースの大切さ」でした。

 

リソースとは・・・「自分にとって心地よい、ものや、こと」。

自分の心と体が、安心したり、ほっとする事象、すべて。

この「リソース」、こう書くとシンプルなのですが、これが案外、奥が深いのです。

一体どうして、「リソース」に注目することが、セラピーで、そして、ひいては人生において、

欠かすことのできない、大切な事なのでしょうか。すこし詳しく、見ていきたいと思います。

 

<ネガティブ・バイアスの存在>

私たちの脳には、ついつい、ネガティブなことに焦点があたるという

「ネガティブ・バイアス(偏り)」なるものが存在しているといいます。

Rick Hansonという心理学者は、

「脳は、ネガティブな経験へのマジックテープであり、ポジティブな体験へのテフロンである。」

と言います。

「マジックテープ」は、一度ベリっとくっくと、中々離れないもの。

 

 

 

「テフロン」は、フライパンの表面みたいに、つるっとすべって離れるもの。

 

 

つまり・・・、それくらい

私たちの脳のあり方は、ネガティブな体験に気づきやすい。ポジティブな体験は、忘れやすい傾向がある・・

ということのようです。

このネガティブ・バイアス、かつては、私たちが進化してゆく過程で、

「危険」を察知し、避けることができるように、役立ってきました。

例えば、森に暮らしていた頃なら、「あの洞穴には、毒蛇がいたぞ!」と覚えておくことで、

その危険(トラウマ的な反応を起こさせるもの)には近づかないようにさせて、生存率をアップさせてきたといいます。

しかしながら、

現代においても、この機能(ネガティブ・バイアス)だけが強く残り、

日常的に、そういった「危険」への感覚・感情・思考に占領されている・・となると、困りものですね。

自分自身にも、思い当たるふしがあります。

なぜか、「できたこと」より、「できなかったこと」の方ばかりを思い出す。

なぜか、「自己否定的な声」がある。(・・ 特に自分がセラピーを受ける前には、たくさんありました。)

しかし、人間にはこういった脳の傾向があるのだ、と知ると、納得です。

ただ重要なのは、これは、単に「ポジティブ思考は良い」・「ネガティブはダメ」というお話ではないということ。

ネガティブなものを「抑圧」するのではなく、

「今・ここ」に、ネガティブなものがあることに気づきながら、

ポジティブなものがあることにも、意識を向けることができるという、

選択」があることに気づくようになること、

そして「バランス」を取ることができるということに、大切な意味があると思います。

 

「リソース(心地よいもの・安全なもの)」の存在にも目をむけ、それを育んでゆくことは、

この両者のバランスをとることを助け、

人生をより調和的に生きることへの、力になります。

では次回は、この「リソース」ということについて、より詳しく、お話しますね。

 

先日登った、鞍馬山から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒルデガルトの「みどり」をたずねて 

 

お久しぶりの更新になりました。

少しの間、夏休みをもらい、ドイツの方へ、足を伸ばしてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツでは、かねてから楽しみにしていた、

12世紀の修道女、「ヒルデガルド・フォン・ビンゲン」の足あとを訪ねて、ライン川周辺の旅へ。

聖ヒルデガルド修道院のモザイク画

 

ヒルデガルドを知ったのは、かれこれ10年ほど前のこと。

「女性とスピリチュアリティ」と題された、とあるユング派の先生の授業でのことでした。

そこで、私はヒルデガルトという一人の女性の生涯、そして

彼女がよく使ったという、

ヴィリディタス  Viriditas (みどりの生命力)」という言葉に、

強いインパクトを受け、すっかり魅了されてしまいました。

 

ヴィリディタス とは・・・

「みどり色」を意味するラテン語で

ヒルデガルトによれば、「この宇宙のすべてに満ちている、生命力」のこと。

それは、「心」と「体」の両方に存在する、「たましい」の領域とも言えます。

ヒルデガルトは、私たちの身体、宇宙のすべてに、

「まるで樹液のように、ヴィリディタス (いのち)が遍満している」と言います。

そして、心や体の「病」とは、その「ヴィリディタス」の不足か、不調和があるから起こる、と考えたのです。

彼女は、ハーブや、歌、クリスタルなど自然の力を使って、その「ヴィリディタス」を、調和の状態に戻すための

治療法を提案していきました。

 

ヒルデガルトが、この「ヴィリディタス」という言葉で表そうとしている、「みどり」の生命力。

それは、一体、どんなものだったのだろう・・。

ヒルデガルトの見た「みどり」を、実際にドイツで感じてみたい・・。

こんな思いから、この夏、彼女の足あとを、たどってみることになったのでした。

 

<ヒルデガルトの人生>

ヒルデガルドが活躍したのは12世紀、まだ、ドイツでも魔女狩りが本格的になる前のこと。

彼女は小さい頃から「炎のように輝く光」の「幻視」があり、他の人にはそれが見えないことを知って慄きます。

以後ずっと、「光の存在」からの言葉、ヴィジョンなど、さまざまなメッセージを受け取り続けます。

 

 

 

 

 

 

 


ヒルデガルトの描いた自画像

彼女はまた、持病や、全身の激しい痛みなど、逆境の多い人生でもありました。そういった苦しみの体験からか、

彼女は自らが「弱い存在であること」、「弱いことの強さ」、「謙虚さ」ということを持ち続けたといいます。

 

40歳の頃、彼女はついに、「生きている光」から届けられるヴィジョンを、書き記すことを決心します。

そこから

様々なハーブ(植物)やクリスタルを使った治療の書を書いたり、

歌曲など、音楽の作曲、

修道院の建築、

様々な癒し(ハーブや、触れることでのヒーリング) など・・

「生ける光」の存在たちと共同創造をし、

文筆・作詞作曲・工学など、本当にさまざまな領域で、豊かに活動を続けました。

 

もし、彼女が、もう少し後の時代に生まれていたら・・

光や、神的な存在から、直接メッセージをもらっていた、

ハーブを使った癒しをした・・、などというと、間違いなく「魔女」認定されていたことでしょう。

そう思うと、本当に12世紀に生まれてくれて良かった〜。

 

彼女は、当時の王など権力者達と手紙などでやりとりをする中で、自分のヴィジョンの価値を認めてもらい、

政治的にも、女子修道院を守り、その立場を尊重してもらうことに成功します。

ヒルデガルトの活躍ぶりは、当時の女性としてはあり得ない、遠方での説法にも何度も出るほどだったとのこと。

その信念と行動力の、なんとパワフルで、力強いこと・・!

欧米では、彼女こそ、女性の権利を主張するフェミニズム運動の先がけではないか・・

と、最近、その重要性が見直されているといいます。

 

思うにきっと、ヒルデガルドの強さは、

「神からのヴィジョン」といった超越的な体験や、苦しみなどを「受け入れる」という女性的な力。

そしてそれを、現実的な活動として「行動」し、「具現化」させる、男性的な力。

その両方(女性性・男性性)を、調和させて併せ持っていたことにあるのではないかしら・・。

そしてそれは、今日の私たち女性にとっても、とても大切なあり方なのだろう。

・・などなど、いろいろと思いをめぐらせながら、ライン川周辺の、彼女に関わる場所を訪ねていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビンゲンにある、ヒルデガルト博物館。そして、彼女のハーブガーデン。

リューデスハイムの修道院。

それぞれの場所をめぐるたび、植物のみどりが、生き生きと、目に飛び込んできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の旅の中で、一番印象的だったのは、

ヒルデガルドが最後に建てたという、アイビンゲンの修道院を訪れたときのことです。

その聖堂に入った瞬間、空間に満ちている静謐さに、打たれました。

こころの中のざわめきがすーーっとひいて、

あたたかい光に満たされたような気持ちになり、思わず涙がこぼれました。

その聖堂は、今でも、60名ほどの修道女さんたちによって、毎日祈りが捧げられているといいます。

そこには、ヒルデガルドの、そして彼女に連なるたくさんの女性たち・男性たちの思いが、

祈りになって、鳴り響いているようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒルデガルドは言います。

「すべてのものは、神の根源からの響きを持っている。」と。

私がヒルデガルドの足あとから受け取ったものは、その「響き」だったのかもしれません。

それは、「宗教」という枠をも超えて、私たちの身体と、足元に、まぎれもなくひろがっているもの。

私がずっと見たかった、ヴィリディタスの「みどり」。

その「みどり」は、この旅を通じて、生き生きと、確かに私の内に、再び息づいたように思います。

 

 

 

 

 

 

6月のみどり

 

雨がふったり、光が注いだりしながら、ますます、みどりが深まる6月ですね。

おかげさまで、オフィスの引越しも、無事に完了しました。

引越し先は、「白亜荘」という左京区の洋館アパート。築100年もの歴史ある、木造の建物です。

その、しっとりと落ち着いた空気に、私自身、自然と深呼吸して、リラックスしているのに気付きます。

本当に、ここに引っ越して良かった・・としみじみ、不思議なご縁へ感謝とともに、うれしい日々です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑ お部屋からも、みどりがたくさん見えます。

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「みどり」と言えば・・・

最近、よく聞いているCDは

森ゆにさん・青木隼人さん・田辺玄さんの「みどり」。

 

 

 

 

 

 

 

ギターデュオと、声の、うつくしい重なりに、こころが洗われるようです。

初夏のひかりや風が、通り過ぎてゆくような音で、今の季節にもぴったり。

 

それでは、どうか、良い初夏をおすごしくださいね。

また、お便りします。

 

 

オフィス引越しのお知らせ

<お知らせ>

6月から、左京区の方へと、オフィスを引っ越しすることになりました。

 

長らく、「いつか、木造の古い家のようなところでセッションができたらいいなあ・・」と思っていたのですが、

今回、とあるご縁で、その夢を現実にしたような、素敵な古いアパートと、出会うことができました。

 

最寄駅は、バス停の「京大前」か「近衛通り」駅(もしくは京阪の「出町柳」)になります。

ここは、大正時代に、修道女の寄宿舎のために建てられた洋館とのこと。

 

 

 

 

 

 

 

(↑この2階で、タイマッサージをされている「雨日和」さんより、写真をお借りしました。)

 

木造で、ほの暗く、しっとりとした雰囲気のアパートです。なんだか居るだけで、ほっこりとする感じ。

この落ち着いた雰囲気は、カウンセリング・ヒーリングにもぴったりではないかと。

6月からは、こちら左京区のオフィスでのセッションとなる予定です。

これまで、烏丸御池のオフィスへお越しくださっていた方には、少々ご不便をおかけしてしまいます・・

が、今度の場所は、建物も味わい深く、緑もたくさん(吉田山も近く)で、のんびりです。

どうかこの雰囲気も、あわせて味わいに来てくださいね。

今から少しずつ、お部屋を整えていきます。どんな空間になるでしょうか✨

いごこちの良い、あたたかく集えるような場になれば・・と思います。

 

詳しい場所などは、また、近々、HPでもお伝えしますね。

 

 

 

春、デトックス

いろいろな所でさくらが咲き、あたたかくなる季節ですね。

春は、別れや、新たな出会いもあり、こころもからだも、揺れる季節。

そして昔から、春は体の巡り(新陳代謝)が良くなり、「デトックス(解毒)」に最適な季節と言われます。

冬の間に、ためこんだ、あれや、これや・・・。

今、もう必要のないものが、心や体から、自然に浮き出て、排出されやすい時期ですね。

「排出の時」は気持ちよかったり、または少し痛みがあったり、心ゆらいだりもあるかも知れません。

そんな時こそ、こころと体を休め、いたわりながら、

これまでありがとうと、いろいろなものにお礼をいいながら、

大事なものは、ハートにしまい

そしてもう、必要のないものは、そっと手放していきましょう。

さくらの花が、あっという間に散っても、またすぐ新緑の季節が始まるように

自然のサイクルは、かならず巡っていきます。

それは、決して破られない、自然との約束です。

一つのものが終わると、新しいスペースが始まる。

この春、大切なものを胸に、少しだけ足取りかるく、すすんでいきましょう。