「女性が、自分らしく生きていくことの、サポートをしたい。」
こんな思いの「種」が生まれてきたのは、15年以上前のことでした。
修士論文のため、女性たちに、妊娠・出産の体験のインタビューをしていたころのことです。
インタビューのお話を聞く中で、
女性たちが、妊娠・出産・子育てといった出来事の中で、心理的にも、肉体的にも、さまざまな「痛み」を味わうこと。
そして時には、産まない・産めないことでの、「痛み」も味わうこと。
でも、その「痛み」と意識的に向き合ったとき、
こころの成長が訪れること。・・・
そんな、女性たちの生の声を聞きながら、
「この、女であることの「痛み」とは、いったい何なのだろう。
私たちは、なんのために、これを体験するのだろうか。」
という、素朴な問いと、その重みを感じたことを、思い出します。
その頃から、「女性性」について考えることは、
カウンセリングの仕事においても、
自分自身にとっても、とても大切だと感じ始めていました。
それからまた数年経ったころ・・。
私自身、アメリカでの出産では、思いがけない「痛み」を味わいました。
緊急帝王切開での出産で、母子のいのちは無事だったものの、様々な、傷つきも味わいました。
過剰な医療的介入も、ショックの一因となりました。
そして、その後は一息つく間もなく、怒涛のような子育てが始まります。
子育てって、こんなに大変だったんだ!と驚く日々でした。
もちろん、娘は可愛く、愛おしく、
かけがえのないよろこびや、尊さも味わいますが、
現実的に、ひたすら、忙しい日々の中、
手術の身体的なショックも相まって、今思えば、「産後うつ」のような状態だったと思います。
そしてその頃は、それらの「痛み」を癒すために、
自分自身、たくさんのカウンセリングや、ヒーリングも受けました。
このことがきっかけになって、内側にあった、自分自身の母—娘(自分の親との関係性)や、
「女性性」の問題ともっと向き合い、
自分との、そして身体との関係性が、より深く、より安定して育まれるようになっていきました。
そして今。
かつての「痛み」を、自分の人生に置かれた、忘れがたい「宝」のように
感じることができるようになったのは、なんと滋味ふかい、よろこびでしょうか。
当時は、ただ苦しいばかりで、痛みが「宝」で、自分の人生の「道しるべ」だったなどと、感じるようになるとは、想像もつきませんでした。
また、日本へ帰ってからは、特に社会の女性への目が、対等ではないこと。
お産のあり方、産後、子育てへのサポートが、十分ではないこと。
「母性愛神話」等の偏見、「良い娘・妻・母」になることへのプレッシャー。
などなど、様々な、時に日本特有の社会的な問題も、目に入ってきました。
カウンセリングで出会う、女性たちからは、よく、
こんな声が聞こえてきます。
「自分には、何か欠けている気がする。」
「自分に、自信がない」。
「どこか、劣っている気がする」。・・・
もれなく、私自身も、そんな声を持つ一人でした。
私がめざすサポートは、
女性たちが、ほんとうの「自信(自分への信頼)」を取り戻し、
自分の「ほんとうの望み」
に気づいてゆく、お手伝いをすることです。
そのために
少しずつ、「身体」という、私たちの「自然」とつながることをしていきます。
そして
これまでの、心のパターンに気づき、
心の傷つきを解放し、
人生を、自由に創造してゆくこと。
より、本来の自分になってゆくことを、お手伝いしていきます。
与えられた、この身体とつながり、自分をいつくしむ。
自分のことを大切にすることで、まわりも大切にする。
自分の「意識」を変えてゆくことで、世界を変えてゆく。
そんなあり方に、女性たちがなっていくのをサポートし、
道のりをご一緒できることは、本当にうれしいことです。
写真は、Katherine SkaggsのTarotカードより