9月2日(日)は、心理臨床学会のシンポジウムで、発表をしてきました。
と言っても、実は私は、論文や発表関係は、めっぽう苦手なほう。
いただいたテーマ自体は大好きな分野だったのですが、
ここしばらく、発表準備にパソコンに向かっては、グタッ・・と挫けそうになることもしばしばでした(笑)。
今回のシンポジウムのテーマは、<心理臨床における「見えない身体」>というもの。
「見える」身体とは、いわゆる「肉体」で、物理的・生理学的なものを指します。
それに対して、「見えない」身体とは、こころと身体の「間」の領域。
いわゆる東洋で言う、「気」や、ヒーリングでの「エネルギー」、
ヨガの体系の中のチャクラの象徴に関係するような、「目に見えない」身体領域のことも含みます。
「目に見えない」だけに、ややもすると「あやしい」テーマと括られがちです(笑)。
でも、言語化や実証が難しい領域なだからこそ、今後も、いろいろな角度から検討し、
しっかりと語られる事がとても大切なテーマのように思います。
このような、「目に見えない」身体の領域は、古代から、様々な文化における精神的伝統において扱われてきました。
私自身は、アメリカなどに住んでいた頃、シャーマニズムに関連する癒しの方法を学んでいたこともあり、
今回は、「シャーマニズムにおける見えない身体」というテーマで発表させてもらいました。
発表の中では、シャーマニズムにおける、「病(やまい)」についての考え方や、その治療の方法。
そして特に、その「トラウマ治療」についての考え方を見てゆき、その方法論と、現代の心理療法との比較をし、
心理療法は、「インナー(内なる)シャーマン性」を育む場であることを、考察しました。
(またいつか、このブログでも、もう少し詳しく書かせてくださいね。)
シンポジウムを経て、「身体(リアリティ)」と「こころ(イメージ)」が結びつく、
「たましい」とでもいうような領域=「見えない身体」を大切にしてゆくことは、癒しにおいて 、とても重要だということ。
現代の心理療法において、この領域を考えてゆくことの大切さを、再確認しました。
今回の学会では、かつての恩師たちに、10数年ぶり(!)に再会できたのもなつかしくて、嬉しいことでした。
臨床心理学という分野の、最近の流れも感じたり。
学生に戻ったかのように、ちょっと緊張感もあり、よい刺激になりました。
とにもかくにも、無事終わって、ほっと一息・・。
しかしようやく夏の暑さも終わり・・と思っていたら、
思いがけなく大きな台風が来たり、北海道での地震など。
今年は、災害が心配な状況が続きます。
少しでも早く、落ち着いて過ごせる日常が、戻ってきますように。